インタビュー① 川村教授
北海道大学大学院情報科学研究科
《 川村秀憲教授 》
私たちが子供の頃、まさか「コンピューター」が将棋や囲碁のプロ棋士に勝つことになるとは思ってもみなかったし、「コンピューター」が小説を書き、音楽の曲を作り、 人間に代わって仕事するようになるのは、映画やアニメ、そしてそれこそ小説の世界だった。
そういったSFのような世界が、今や当たり前になっている。そして今、「コンピューター」が競輪の記事を書く能力を身につけた。SFの世界では、高度なコンピューター(=AI)内蔵のロボットが競輪の出走表を見て、過去のレースを思い出し、展開を読んで、記事を書いているというイメージである。 そして、実際のレースを観戦して選手に声援を送り、お気に入りの選手が勝てば喜ぶし、負けたら悔しがる・・・ そんな世界もそこまで来ているのかもしれない。
今回、チャリロトと共同研究しAI競輪を開発した、北海道大学の川村教授に、AIを切り口にインタビューを行った。
ー 今回の共同研究は競輪というエンターテイメントとAIを結び付けたものですが、エンターテイメント分野でのAIの活躍と言うと、囲碁や将棋のイメージがあります。 まずはそのあたりから教えてください。
川村 : 「囲碁や将棋には決められたルールがありますよね。しかも、盤上という閉じた世界の中で行われていることでもあります。 盤のマス目の数も決まっているわけです。このことから何が言えると思いますか?」
ー 決められたルールの中でやるからこそ難しいとか。
川村 : 「そうですね。決められたルールの中で最善の手を考えなければならない。そのときの一手の候補はたくさんありますね。 その中で、先のことを考えて一手を選ばなければならない。そのとき、ルールがあって有限だということは、 『この場面、この局面では、次の一手はこれが正解だ』という答えがあるということなんです。しかしながら、 その正解の一手を見つけ出す可能性というのは、神のみぞ知るというか、具体的な数で言うと、囲碁の場面の数は だいたい10の360乗というとんでもない数を考える必要があるのです」
- 10の360乗・・・?
川村 : 「この10の360乗という数というのは、たとえば、宇宙にあるすべての原子よりもずっと多い数です。 つまりは、宇宙のすべての原子の一つ一つに、手の選択肢を一つずつ記入していってもすべてを書ききることはできません。 書ききれないだけならまだしも、さらにその一つ一つに対して正解を選ぶという途方もない作業になってしまいます。でも、 数は大きくても有限なので、理論的には可能なのです」
ー そんなとんでもないことをAIはやっているんですか?
川村 : 「いえ、さすがにそこまでの計算は今の技術では不可能です。コンピューターのメモリーや計算速度も限られていますし。 だから、過去の棋譜データから読み取ったり、学習をして、それと近い手を導き出しています」
ー まさに人智を超えている感じですね。
川村 : 「そうなんです。ただ、人智を超えているからこそ、『なぜそうなったのか』を知りたいというのが人間の知識欲なのですが、 AIは『なぜそうなったのか』の説明をするところまでは行きついていません。AIが囲碁で人間に勝つところまでは行きましたが、 なぜ勝ったのか、なぜその手を選んだのか、ということをAIが説明するのは、次のステップだと考えています」
ー AIが説明をするというのは、具体的にどういった場面で有用になってくるのでしょうか?
川村 : 「たとえば、今の医療の最新技術として、AIがレントゲンなどの画像診断をして病気を見つけるということをやっています。 しかしAIは、診断はできても、『なぜそういう診断をしたのか』を説明することができません。だとすると、それを受け取る側、 つまり患者なりその家族が、『いや、その診断には納得できない』という判断をする可能性があるわけです。そこに『説明能力』という新たなスキルが必要になるのです」
ー なるほど。そこには、人間ならではの感情も入りますし、やっぱり説明がほしいですよね。私なんかは 『よく分からないけどAIがそう言っているならそうなんだろう』って受け入れてしまうような気がします。
川村 : 「まさにそこが重要で、AIが出した答えを受け取る側に合わせた説明が必要になってきます。 今のAIは確率統計的な意味で正解を出せますが、受け手の理解度や興味レベルに合わせて情報を表現することにその能力を 活用することが、これから求められてくるでしょう。そして、相手に納得させるためには、相手のことをよく理解し、 どのように表現すれば相手の心に突き刺さるのか、相手にとって大切なことは何なのか、 そこにどういったストーリーが用いられるべきかということまで突き詰めていく必要があります」
ー それって、もはや人間同士のコミュニケーションと同じですよね。
川村 : 「人間そのものを理解するAIが必要でしょうね。今回の共同研究テーマである競輪は、記事を読む対象者は競輪ファンの方ですが、 単に情報として記事を読みたい方もいらっしゃれば、選手のバックグラウンドやドラマなどを 読みたいという方もいらっしゃるのではないかと思います。まだまだ難しいところはありますが、 より多くの方にとって読み応えがあるように、そういったところにまで踏み込んだAIにしていきたいですね」
ー しかし、AIによる記事のレベルが上がれば上がるほど、AIと人間の役割分担ということが難しくなってきませんか?
川村 : 「私はそうは思っていません。今回は簡単な競輪の記事生成となっていますが、その記事内容を取り入れるかどうかは人間の判断です。チャリ・ロト社が会社として公開するかどうかも、チャリ・ロト社の方が決めるのでしょうし、公開された記事を見て、 『良い記事だな』と思うか『う~ん、この記事はどうかなぁ』と思うかも、その記事を見た方の判断です。 つまり、AIが出した何らかの答えの出来を良いと思うか、悪いと思うか、その判断は人間だけができます。AIで俳句を作ったり、今日のファッションをAIが考えたりすることも 研究として進んでいますが、同じように、そこに基準を与えるのは人間の役割です」
ー 人間とAIのコミュニケーションのようなものですね。
川村 : 「はい。競輪においても、人間が見つけられなかった面白いドラマやストーリーをAIが発見し表現する。それを人間が公開し、 受け手からフィードバックを得て、よりクオリティの高いものに仕上げていくといったことを行っていきたいですね」
ー 競輪というテーマに興味を抱いたきっかけもそういったところにあるのでしょうか?
川村 : 「言うまでもなく、競輪は一つの魅力あるコンテンツとして確立されています。そういった確立されたコンテンツの魅力を、 AIによってより高めようという取り組みは、学術的にも多くの意味がある研究テーマを含んでいるものと思っています。 しかも、競輪を知れば知るほど、人間的なドラマがあることに面白みを感じていて、そこをAIと結びつけるのも面白いですね。 AI研究に必要なデータもそろっていますし」
ー 将来的、AIが競輪を私たちと一緒に楽しむということがあれば、より面白いなぁと思いませんか?
川村 : 「AIがそのような感情を持ったりするのは今の段階では難しいとは思います。でも、競輪というのは、 人間である選手が自転車で走りますよね。たとえば、選手がつぶやいているSNS情報などをAIが取り入れて、 その選手の背後にあるドラマ、たとえば、今日は誕生日だからバースディウィンを飾りたいと意気込んでいたり、 家族のために勝利を目指すとか、人間ならではのモチベーションを加味して、一つのレースの背後にある人間ドラマや ストーリーを記事などに反映できるようになれば、AIがいつの間にかある選手に『がんばれ』とエールを送っている ということもあるかもしれませんね」
ー 最後に、競輪×AIの面白さについて襲えてください。
川村 : 「競輪への取り組みの面白いところは、AIだけで完結しないというところですね。人間の考えをAIに取り入れていくことが必要で、 その先には、人間とAIがコミュニケーションを密に取るという世界が広がっている気がします」
そういったSFのような世界が、今や当たり前になっている。そして今、「コンピューター」が競輪の記事を書く能力を身につけた。SFの世界では、高度なコンピューター(=AI)内蔵のロボットが競輪の出走表を見て、過去のレースを思い出し、展開を読んで、記事を書いているというイメージである。 そして、実際のレースを観戦して選手に声援を送り、お気に入りの選手が勝てば喜ぶし、負けたら悔しがる・・・ そんな世界もそこまで来ているのかもしれない。
今回、チャリロトと共同研究しAI競輪を開発した、北海道大学の川村教授に、AIを切り口にインタビューを行った。
ー 今回の共同研究は競輪というエンターテイメントとAIを結び付けたものですが、エンターテイメント分野でのAIの活躍と言うと、囲碁や将棋のイメージがあります。 まずはそのあたりから教えてください。
川村 : 「囲碁や将棋には決められたルールがありますよね。しかも、盤上という閉じた世界の中で行われていることでもあります。 盤のマス目の数も決まっているわけです。このことから何が言えると思いますか?」
ー 決められたルールの中でやるからこそ難しいとか。
川村 : 「そうですね。決められたルールの中で最善の手を考えなければならない。そのときの一手の候補はたくさんありますね。 その中で、先のことを考えて一手を選ばなければならない。そのとき、ルールがあって有限だということは、 『この場面、この局面では、次の一手はこれが正解だ』という答えがあるということなんです。しかしながら、 その正解の一手を見つけ出す可能性というのは、神のみぞ知るというか、具体的な数で言うと、囲碁の場面の数は だいたい10の360乗というとんでもない数を考える必要があるのです」
- 10の360乗・・・?
川村 : 「この10の360乗という数というのは、たとえば、宇宙にあるすべての原子よりもずっと多い数です。 つまりは、宇宙のすべての原子の一つ一つに、手の選択肢を一つずつ記入していってもすべてを書ききることはできません。 書ききれないだけならまだしも、さらにその一つ一つに対して正解を選ぶという途方もない作業になってしまいます。でも、 数は大きくても有限なので、理論的には可能なのです」
ー そんなとんでもないことをAIはやっているんですか?
川村 : 「いえ、さすがにそこまでの計算は今の技術では不可能です。コンピューターのメモリーや計算速度も限られていますし。 だから、過去の棋譜データから読み取ったり、学習をして、それと近い手を導き出しています」
ー まさに人智を超えている感じですね。
川村 : 「そうなんです。ただ、人智を超えているからこそ、『なぜそうなったのか』を知りたいというのが人間の知識欲なのですが、 AIは『なぜそうなったのか』の説明をするところまでは行きついていません。AIが囲碁で人間に勝つところまでは行きましたが、 なぜ勝ったのか、なぜその手を選んだのか、ということをAIが説明するのは、次のステップだと考えています」
ー AIが説明をするというのは、具体的にどういった場面で有用になってくるのでしょうか?
川村 : 「たとえば、今の医療の最新技術として、AIがレントゲンなどの画像診断をして病気を見つけるということをやっています。 しかしAIは、診断はできても、『なぜそういう診断をしたのか』を説明することができません。だとすると、それを受け取る側、 つまり患者なりその家族が、『いや、その診断には納得できない』という判断をする可能性があるわけです。そこに『説明能力』という新たなスキルが必要になるのです」
ー なるほど。そこには、人間ならではの感情も入りますし、やっぱり説明がほしいですよね。私なんかは 『よく分からないけどAIがそう言っているならそうなんだろう』って受け入れてしまうような気がします。
川村 : 「まさにそこが重要で、AIが出した答えを受け取る側に合わせた説明が必要になってきます。 今のAIは確率統計的な意味で正解を出せますが、受け手の理解度や興味レベルに合わせて情報を表現することにその能力を 活用することが、これから求められてくるでしょう。そして、相手に納得させるためには、相手のことをよく理解し、 どのように表現すれば相手の心に突き刺さるのか、相手にとって大切なことは何なのか、 そこにどういったストーリーが用いられるべきかということまで突き詰めていく必要があります」
ー それって、もはや人間同士のコミュニケーションと同じですよね。
川村 : 「人間そのものを理解するAIが必要でしょうね。今回の共同研究テーマである競輪は、記事を読む対象者は競輪ファンの方ですが、 単に情報として記事を読みたい方もいらっしゃれば、選手のバックグラウンドやドラマなどを 読みたいという方もいらっしゃるのではないかと思います。まだまだ難しいところはありますが、 より多くの方にとって読み応えがあるように、そういったところにまで踏み込んだAIにしていきたいですね」
ー しかし、AIによる記事のレベルが上がれば上がるほど、AIと人間の役割分担ということが難しくなってきませんか?
川村 : 「私はそうは思っていません。今回は簡単な競輪の記事生成となっていますが、その記事内容を取り入れるかどうかは人間の判断です。チャリ・ロト社が会社として公開するかどうかも、チャリ・ロト社の方が決めるのでしょうし、公開された記事を見て、 『良い記事だな』と思うか『う~ん、この記事はどうかなぁ』と思うかも、その記事を見た方の判断です。 つまり、AIが出した何らかの答えの出来を良いと思うか、悪いと思うか、その判断は人間だけができます。AIで俳句を作ったり、今日のファッションをAIが考えたりすることも 研究として進んでいますが、同じように、そこに基準を与えるのは人間の役割です」
ー 人間とAIのコミュニケーションのようなものですね。
川村 : 「はい。競輪においても、人間が見つけられなかった面白いドラマやストーリーをAIが発見し表現する。それを人間が公開し、 受け手からフィードバックを得て、よりクオリティの高いものに仕上げていくといったことを行っていきたいですね」
ー 競輪というテーマに興味を抱いたきっかけもそういったところにあるのでしょうか?
川村 : 「言うまでもなく、競輪は一つの魅力あるコンテンツとして確立されています。そういった確立されたコンテンツの魅力を、 AIによってより高めようという取り組みは、学術的にも多くの意味がある研究テーマを含んでいるものと思っています。 しかも、競輪を知れば知るほど、人間的なドラマがあることに面白みを感じていて、そこをAIと結びつけるのも面白いですね。 AI研究に必要なデータもそろっていますし」
ー 将来的、AIが競輪を私たちと一緒に楽しむということがあれば、より面白いなぁと思いませんか?
川村 : 「AIがそのような感情を持ったりするのは今の段階では難しいとは思います。でも、競輪というのは、 人間である選手が自転車で走りますよね。たとえば、選手がつぶやいているSNS情報などをAIが取り入れて、 その選手の背後にあるドラマ、たとえば、今日は誕生日だからバースディウィンを飾りたいと意気込んでいたり、 家族のために勝利を目指すとか、人間ならではのモチベーションを加味して、一つのレースの背後にある人間ドラマや ストーリーを記事などに反映できるようになれば、AIがいつの間にかある選手に『がんばれ』とエールを送っている ということもあるかもしれませんね」
ー 最後に、競輪×AIの面白さについて襲えてください。
川村 : 「競輪への取り組みの面白いところは、AIだけで完結しないというところですね。人間の考えをAIに取り入れていくことが必要で、 その先には、人間とAIがコミュニケーションを密に取るという世界が広がっている気がします」
インタビュー② 吉田さん
北海道大学大学院情報科学研究科
《 吉田拓海さん 》
The 22nd Asia Pacific Symposium on Intelligent and Evolutionary Systems で、「Best Student Paper Award」を受賞され、AI競輪を共同開発した北海道大学大学院生の吉田拓海さんにインタビューを行った。
ー この度は、「Best Student Paper Award」の受賞おめでとうございます!
ご自身で考えられる、受賞理由を教えてください。
吉田 :「スポーツ記事に関する研究・開発が近年注目を集めていることが理由の一つとしてあるでしょう。また、実際に生成した予測コメントがチャリ・ロト社のサイトでユーザの皆様向けに公開されている、という点も評価して貰えたと考えています」
ー ご自身で、受賞すると思っていましたか?
吉田 :「いいえ。他の発表も素晴らしいものばかりで、まさか受賞できるとは思っていませんでした」
ー こちらの研究に関して、努力されたところはどんなところですか?
吉田 :「レース結果の予測についてです。予測に用いる入力特徴量の種類や深層学習の構成を検討して、予測精度を向上させることに時間を費やしました」
ー 先行研究との差別化ポイントは何ですか?
吉田 :「スポーツの記事の自動生成に関する研究は数多く行われおり、野球においてはイニング速報を自動生成する研究などが行われています。この先行研究で生成するスポーツ記事の内容は過去の結果ですが、本研究で生成の対象とする予想コメントの内容は未来の結果です。そこで本研究では、AIによって未来のレース結果を予測して、その予測結果をもとに予想コメントを生成するというアプローチをとりました。また、先行研究の競馬予測では”1頭の馬のデータからその馬の強さを推定する”という手法がよく行われていますが、本研究では”複数人の選手のデータから着順を予測する”という手法をとったことで、より高い精度で競輪の着順が予測可能になりました」
ー ほかの分野や研究にどう活かせると思いますか?
吉田 :「その他の競技、競馬やオートレースの結果の予測にも応用可能であると考えています。また、スポーツ競技以外の分野でも、情報検索のランキング学習や金融商品の運用にも利用することを検討しています」
ー 今後の発展について教えてください。
吉田 :「予測に関して、入力特徴量の探索や予測モデル構造の改良、学習データ増量など、精度向上の余地はまだあります。オッズよりも高い予測性能をもつ予測器をつくることが今後の目標です。そして、予想コメント生成に関しては、機械翻訳等の分野で高い性能を示しているEncoder-Decoderモデルによる生成によって、さらにバリエーション豊かな予想コメント生成が可能になっていくと考えています」
【学会URL】http://autonomous.jp/ies2018/
ー この度は、「Best Student Paper Award」の受賞おめでとうございます!
ご自身で考えられる、受賞理由を教えてください。
吉田 :「スポーツ記事に関する研究・開発が近年注目を集めていることが理由の一つとしてあるでしょう。また、実際に生成した予測コメントがチャリ・ロト社のサイトでユーザの皆様向けに公開されている、という点も評価して貰えたと考えています」
ー ご自身で、受賞すると思っていましたか?
吉田 :「いいえ。他の発表も素晴らしいものばかりで、まさか受賞できるとは思っていませんでした」
ー こちらの研究に関して、努力されたところはどんなところですか?
吉田 :「レース結果の予測についてです。予測に用いる入力特徴量の種類や深層学習の構成を検討して、予測精度を向上させることに時間を費やしました」
ー 先行研究との差別化ポイントは何ですか?
吉田 :「スポーツの記事の自動生成に関する研究は数多く行われおり、野球においてはイニング速報を自動生成する研究などが行われています。この先行研究で生成するスポーツ記事の内容は過去の結果ですが、本研究で生成の対象とする予想コメントの内容は未来の結果です。そこで本研究では、AIによって未来のレース結果を予測して、その予測結果をもとに予想コメントを生成するというアプローチをとりました。また、先行研究の競馬予測では”1頭の馬のデータからその馬の強さを推定する”という手法がよく行われていますが、本研究では”複数人の選手のデータから着順を予測する”という手法をとったことで、より高い精度で競輪の着順が予測可能になりました」
ー ほかの分野や研究にどう活かせると思いますか?
吉田 :「その他の競技、競馬やオートレースの結果の予測にも応用可能であると考えています。また、スポーツ競技以外の分野でも、情報検索のランキング学習や金融商品の運用にも利用することを検討しています」
ー 今後の発展について教えてください。
吉田 :「予測に関して、入力特徴量の探索や予測モデル構造の改良、学習データ増量など、精度向上の余地はまだあります。オッズよりも高い予測性能をもつ予測器をつくることが今後の目標です。そして、予想コメント生成に関しては、機械翻訳等の分野で高い性能を示しているEncoder-Decoderモデルによる生成によって、さらにバリエーション豊かな予想コメント生成が可能になっていくと考えています」
【学会URL】http://autonomous.jp/ies2018/