白いスクリーンの下で吉田さんがトロフィーをもらっています。
【学会名】The 22nd Asia Pacific Symposium on Intelligent and Evolutionary Systems.
【学会名略称】IES2018
【学会URL】
http://autonomous.jp/ies2018/
【受賞】Best Student Paper Award
①ご自身で思う受賞理由は何だと思いますか?
スポーツ記事に関する研究・開発が近年注目を集めていることが理由の一つとしてあると考えています。
また、実際に生成した予測コメントがチャリロト社のサイトでユーザの皆様向けに公開されている、という点も評価して貰えたと考えています。
②受賞すると思っていましたか?
いいえ。
他の発表も素晴らしいものばかりで、まさか受賞できるとは思っていませんでした。
③ご自身で努力したところはどんなところですか?
レース結果の予測についてです。
予測に用いる入力特徴量の種類や深層学習の構成を検討して、予測精度を向上させることに時間を費やしました。
④先行研究との差別化ポイントは何ですか?
スポーツの記事の自動生成に関する研究は数多く行われおり、野球においてはイニング速報を自動生成する研究などが行われています。
この先行研究で生成するスポーツ記事の内容は過去の結果ですが、本研究で生成の対象とする予想コメントの内容は未来の結果です。
そこで本研究では、AIによって未来のレース結果を予測して、その予測結果をもとに予想コメントを生成するというアプローチをとりました。
また、先行研究の競馬予測では”1頭の馬のデータからその馬の強さを推定する”という手法がよく行われていますが、
本研究では”複数人の選手のデータから着順を予測する”という手法をとりました。
これによって、より高い精度で競輪の着順が予測可能になったと考えています。
⑤ほかの分野や研究にどう活かせると思いますか?
その他の競技、競馬やオートレースの結果の予測にも応用可能であると考えています。
また、スポーツ競技以外の分野でも、情報検索のランキング学習や金融商品の運用にも利用することを考えています。
⑥今後の発展は?
予測に関しては、入力特徴量の探索や予測モデル構造の改良、学習データ増量など、精度向上の余地はまだあると考えています。
オッズよりも高い予測性能をもつ予測器をつくることが今後の目標です。
予想コメント生成に関しては、機械翻訳等の分野で高い性能を示しているEncoder-Decoderモデルによる生成によって、さらにバリエーション豊かな予想コメント生成が可能になると考えています。